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​寝起きも共に

クルル(オロルン)
「…うーーん…」
(オロルン、今日はシトラリが来るから起きなければと言っていただろう)
「いたい……スーラ……引っ張らないで…」
クルル!(オロルン!)
「ぅぅぅ……」
(…………)まさかここまで起きないとは。同行していた時はもっときちんとしていたではないか?
(…あの時は緊張状態にあったからか?)
とはいえ、気を許しすぎでは無いのか。布団に包まり起きる気配が全く無くなったオロルンに溜息をつき、そっと離れる。

そのままスラーインは扉を開けて外に出た。太陽も真上にあがりナタの大地を照らしつけている。その眩しさに目を細めた。
(…ああ、きたな)
その先に見えたのは彼の祖母、シトラリだ。ずんずんとこちらへと向かって歩いてくる。遠目でも気づいたのだろう、孫の家の前にいる、イクトミ竜の幼体に。
「あら?」
シトラリはそのままやってくると、スラーインと目を合わせるようにしゃがみ込んだ。
「キミね、オロルンが言ってたスーラは」
クル…(ああ)
「たしかに、変わった魂の持ち主なのね。まだ幼体なのに、正直オロルンよりもタヨリになりそうだわ」
(……)
「…キミも、1人で取り残されてたんですってね。安心してちょうだい。あの子、やることなすことアンポンタンでスットコドッコイだけど、誰より優しくていい子なの。キミも幸せになれるわ」
シトラリが頭を撫でてくる。これで中身がスラーインだと知ったらどうなるのか、少し気になる所ではあったが、撫でる手つきがオロルンに似ていることに気づいた。
(……お前のオロルンへの愛情は、きちんと伝わっているんだな)
ホッコリとしたスラーインである。撫でることに満足したのか、シトラリはよっこいせと立ち上がる。

「それにしても、オロルンはどうしたのよ。スーラを表にだしておいて本人がいないってどういうコト?」
クルル…(まだ寝ている)
「え!?まさかまだ寝てるの!?ワタシが来るって言ってあったのに!?」
(そうだ。何度も起こしたが、起きなかった)
「スーラは起こそうとしたのにおきなかったから、こうして家の前でワタシを待っててくれたってワケ!?まーーーーーったく、もう!!」
勢いよくスラーインを抱き上げるとそのまま扉を破る勢いで開け放つ。
「オロルンーーーーーー!!!!」
「うわっ!ばあちゃん!?」
(う、うるさい)きゅ……
「な、なんでここに、いや今何時!?えっ、まさか……」
「来客そっちのけでぐーーすか寝っぱなしなんて、イイ度胸じゃない!スーラに出迎えまでさせて!」
「ご、ごめんなさい…………」
「まったく!!いい、オロルン、約束したならきちんと守らなきゃ、~~~~~!!!」

スラーインはシトラリに降ろしてもらうとオロルンの側に寄り添った。
「…うう、スーラ、起こしてくれよ……」
きゅ…(起こしたのに起きなかったのはお前だろう)スラーインは呆れた顔をした。
「そうだよな…ごめん……」
(まあ、大人しく説教を受けておくんだな)
「………ばあちゃんだって寝汚いのに…」
「なにコソコソしてるのよ!」
「ご、ごめんなさい」
(オロルン、さすがに苦しい)シトラリの怒号にスーラを抱える腕に力が入った。その腕をペシペシと叩いて力をゆるめるように鳴く。
「す、すまない……」
きゅっと縮こまり、祖母からの説教が終わるまでの時間、スラーインはオロルンの腕に抱っこされ続けたのだった。

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